学校法人森友学園への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられ、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(51)が財務省元理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏に損害賠償を求めた訴訟が27日、大阪地裁で結審した。雅子さんはこの日の本人尋問で、自死の原因や改ざんの経過について改めて「私は真実を知りたい」と訴えた。判決は11月25日に言い渡される。
本人尋問は、雅子さんが自身の代理人弁護士の質問に答える形で、約45分間にわたって行われた。
雅子さんは、改ざん以前の俊夫さんについて「よく笑う人だった」「『僕の雇用主は国民』と話し、仕事に誇りを持っていた」と振り返った。改ざんを指示された翌月ごろから笑わなくなり、「内閣が吹っ飛ぶようなことをさせられた」と泣き崩れることもあったとし「(改ざんは)恥ずかしいことだったんだと思います」と指摘。夫妻のケンカも増え、「地獄のような日々で、私も生きているのがつらくなった」と述べた。
国有地売却では値引きが行われ、安倍晋三元首相は当時、妻昭恵氏と森友学園の関係を踏まえ、国会で野党から追及された。
雅子さんは本人尋問で、「安倍さんが国会で発言されたことが原因で改ざんがされた」との見方を示し、昭恵氏や佐川氏が改ざんの経緯などを明らかにすべきだと訴えた。訴訟で佐川氏の尋問を求めたが、退けられており「佐川さんに一度くらい法廷に来て、話してほしかった」とも述べた。
被告側と裁判官からの質問は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル